LOVE NOW

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EUKARYOTE


Information

この度EUKARYOTEでは11月30日から12月24日までの会期にて磯村暖による個展「LOVE NOW」を開催いたします。
アーティストとして各パラダイムにおける異質なものを照らし出してきた磯村暖は、自身の思想に基づき活動の場を広げ続けており、直近1年間においてもARCUSproject助成による台北關渡美術での滞在制作や、タイのワットパイローンウア寺院での滞在制作のほか、新木場agehaで開催されたキースヘリング生誕60周年記念イベントでのコラボレーションや香取慎吾の呼びかけによる「NAKAMA de ART」の抜擢など、社会とアートを柔軟に繋ぐアイコンとしても注目を集める存在といえるでしょう。

本展で会期中にも追加されていく地獄の亡者像は、磯村が近年継続して制作に取り組んでいる重要なアートワークの一つです。
「同性愛の罪」、「国籍を持たない罪」といった罪状を表面に書かれた亡者像たちはどこか柔らかな佇まいを持ちながら、私たち鑑賞者と同じ地表に設置され、善悪が反転する可能性を示唆しています。また、タイにおいて1970年代から急速に定着したコンクリートを素材とする亡者像制作は、タイ社会とそれに相対する世界の背景を浮かび上がらせるのと同時に、日本におけるありえたかもしれない仏教美術や美術の受容について提示しているようにも見えてきます。
その他、新作のドローイング作品と、在日ネパール人との協働作品「HOME PARTY, 2017」の再インストールや、LGBTQの当事者でもある磯村暖が台湾での同性婚をテーマに制作した「Joss Paper for the lovers, 2018」、そこから展開されていった「LOVE NOW, 2018」の発表など、ワタリウム美術館での個展から1年ぶりとなる本展は、磯村暖のこれまで2年間の活動を凝縮した内容となります。
かつての社会的な違和感を取り上げる作風から発展し、LGBTQや移民、宗教といったキーワードを組み込んで制作してきた近年の活動を、未知の異物とのtrans=横断的な関わりとして総括する本展「LOVE NOW」は、「LOVE」が制約される現代の社会通念・パラダイムをアップデートし、不可能を可能にする為の呼びかけでもあります。

休廊日

月曜日
※最終日12月24日は開廊致します

オプニングレセプション

2018年11月30日(金)18:00〜20:00
※初日は18時よりスタート致します。

トークイベント

2018年12月1日(土)19:00〜21:00
“アップデートされる仏教表現 ー境界なき時代の地獄ー”
磯村暖(アーティスト)
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椋橋彩香(早稲田大学大学院美術史研究科博士課程在籍、タイ仏教美術における地獄表現研究)


磯村暖

1992 東京都生まれ
2016 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2017 ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校第2期卒業

個展
2017「Good Neighbors」ON SUNDAYS/ワタリウム美術館 東京
「Two glasses of water/20000000000000000000000000 water molecules」 Victorian Vetrine at Central Saint Martins ロンドン
「A glass of water/1000000000000000000000000 water molecules」 遊工房 東京
2016「Planet of Hell」Tav Gallery 東京

主なグループ展
2018「口嫌體正直 – 鼻句糸罔口愛」濕地venue 台北
「Diversity Via Nature:Religions,Gender,or Art?」Tentacle Art Space バンコク
「Diversity Via Nature:Religions,Gender,or Art?」朋丁 台北
「NAKAMA de ART」帝国ホテルプラザ 東京
「超たまたま」小金井アートスポット シャトー2F 東京
「Preview」EUKARYOTE 東京
2017「磯村暖×mamoru Open Studio」
國立台北藝術大學 關渡美術館 台北
「海外派遣奨学生展」 東京藝術大学大学美術館陳列館
「London/Tokyo Y-AIR Exchange Program」遊工房 東京
「I’m still alive」 PASS THE BATON Gallery 東京
「URA TARO SHOW」川崎市岡本太郎美術館 神奈川
「GINZA 24H SQUAD」松崎ビル 東京
「Degree Show of Chaos*Lounge New Art School」カオスラウンジアトリエ 東京
2016「iPhone Mural」BLOCK HOUSE 東京
「U・29」GALLERY MoMo ryogoku 東京
「Still Life」Bambinart Gallery 東京
「COLLAPSE EVE」旧豊島区役所 東京
「Emerging Artists 2016」Bambinart Gallery 東京
「第64回 東京都藝術大学 卒業・修了作品展」東京都美術館
2015「KENPOKU ART 2016 プレ企画」大子町 茨城
「平成27年度上野芸友賞展」東京芸術大学 


磯村はこれまでタイ・ネパール・台湾との交流を通じて、現代の社会問題を軸に自身の活動を展開してきた。
初の個展となる“地獄の星” (2016)では、タイにある地獄の亡者像にインスピレーションを受け、地獄の亡者たちに難民問題やLGBTQの人権問題を託して制作がなされた。
翌年の“HOME PARTY” (2017)では、ネパールから移民として日本で暮らすことの困難さを、ティハールという国民的な祭りを再構成することによって表出させた。台北で発表された“Joss Paper for lovers” (2018)では、台湾における同性婚合法化を受け、現地リサーチをもとに日本の現状と対照させた。さらに同年、タイにあるワット・パイローンウア寺院にて滞在制作を行い、LGBTQの人権問題を再び地獄の亡者に託し、タイと日本の間にトランスナショナルな視点を創出した。
2016年以降、磯村が継続して制作に取り組んでいる地獄の亡者像は、タイで1970年代以降に定着した新しい地獄表現である「地獄寺」に着想を得ている。地獄寺とは、立体像で構成された地獄空間をもつ寺院のことである。タイにおける地獄表現はもともと壁画などの平面に描かれているものであったが、それが現代になり、私たちが実際に足を踏み入れることのできる地獄空間としてあらわされるようになったのである。
パラダイムにおける異質なものを表象することは国や時代を問わず行われ、そのメディアとして「地獄」は大きな役割を担ってきた。その時代の最も新しい手法によって、地獄は何度も繰り返しあらわされ、その度に時代の特性を炙り出してきたのである。そして今、磯村はまさにその役割を担っているように思う。国と国、性別や国籍、また生と死といった既存の「境界」は磯村の解釈でやわらかく崩され、混ざり合い、なくなっていく。その過程を、今回開催される“LOVE NOW”では目の当たりにすることができるだろう。

椋橋彩香


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“EUKARYOTE”は、2018年に東京の神宮前に設立したアートスペースです。美術の発生より紡ぎ続けてきた現代の有形無形、その本質であり、普遍的な価値を持つ作品や作家を積極的に取り上げ、残していきます。


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