1824

現在開催中

1824

EUKARYOTE


Information

EUKARYOTEでは、2025年4月4日(金)から4月27日(日)までの会期にて、石川和人、遠藤文香、駒瀬由宗、3名の写真家によるグループ展「1824」を開催いたします。

展覧会タイトルの「1824」とは、現存する世界最古の写真の原板と言われる『Un cheval et son conducteur』(馬引く男)が制作された1825年に先立ち、写真の生みの親ともいえるフランス人の発明家、ニセフォール・ニエプスが初めて像(イメージ)を定着させた年です。1824年に生まれた人類の新たなイメージから200年が経過し、201年目の2025年において、現在の写真家たちはどのようなイメージを与えられるでしょうか。

19世紀に科学技術の発展によって誕生し、芸術と科学の間で揺れ動きながら発展してきた写真は、現象の記録という機能を持つ一方、今もなおテクノロジーの進化によってそのあり方は拡張し続けており、人類の創造力と技術の融合した表現技法として発展しながら「写真とは何か?」という問いもまた膨らみ続けています。

石川和人は、インターネットの広がりにより、デジタル上のイメージが氾濫する現在における人々の皮膚感覚的な知覚について、写真からプリントの過程のみならず様々なメディウムやインスタレーションを用いて追求しており、遠藤文香は各地の自然に赴き、自然環境に対する人為的な介入をデジタル編集によって模しながらアニミズム的な想像力で色彩とイメージを引き出し、自然と人工の境界が曖昧であることを示唆しています。また、駒瀬由宗は都市の中、私たちの身近にある人工物に埋もれた土や生き物に着目し、人類の発展に伴い淘汰されてきた自然物のエネルギーと可能性について、デジタルとフィルムに施すアナログ的な手法を交えながら考察しています。

本展の3名の写真家たちは、いずれもテクノロジーや人類による人工的な産物について、自己言及的にその技法と表現に取り込みながら、それぞれが見出すイメージや未来への解については様々に、鮮やかなイメージを描き出しています。

休廊日

月・火曜日

デザイン

HOO VOO


石川和人

1983年 埼玉県生まれ
2008年 東京ビジュアルアーツ 写真学科卒業

近年の主な個展
2025年「Hi,I’m Kazuto Ishikawa.」Sanbancho Gallery, 東京
2023年「Duo Exhibition “SYSTEM” with YUKI HASHIMOTO」東京
2021年「Duo Exhibition “IMPROVISATION 2021 with Haruna Shinagawa」EUKARYOTE, 東京
2019年「こんしゅうはぜんぺんで、らいしゅうはこうへんなんだよ、ばいばい。Goodbye now to the real world , hyperreal world is coming this weekend.」EUKARYOTE, 東京
2018年「Overload」EUKARYOTE, 東京
2017年「Humanity」Sezon Art Gallery, 東京

近年の主なグループ展
2025年「Good Project 」Pool Side Gallery, 石川
2022年「WHAT CAFE × DELTA EXHIBITIOIN TRI-FOLD」東京
2019年「Let’s be human.」Tokyo Art Book Fair, 東京
2018年「Festiwal Fotografii Plener Zory」ポーランド
「PhotoCamp」東京
2017年「3DaysEXHIBITION” (Participate as an organizer and artist.)」Sezon Art Gallery, 東京
2016年「SWAB Art Fair」バルセロナ
「New Portrait」バルセロナ/東京
2015年「LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #3」YellowKorner Paris Pompidou, パリ

写真集
2015年「Humanity」Publish by amana inc.

出版
2021年「Face Time: A History of the Photographic Portrait」Phillip Prodger :Thames & Hudson.
2016年 GUP Magazine #48「Mixing It Up」

「Humanity」シリーズを始め、大量のインクで出力しイメージを重ね合わせる技法によって色が混ざりあい輪郭が曖昧になった被写体を浮かび上がらせ、情報過多の現代における私たちのアイデンティティをテーマに制作。
近年では写真を”行為”とし、写真に関連するひとつひとつの行為にフォーカスを当て、写真に存在する物質性を顕にする。それらの制作技法にて、野田洋次郎のエッセイ “ラリルレ論”や、リチャードドーキンス”脳は世界をどう見ているのか”の表紙カバーに作品提供や、日本のドメスティックブランドに作品やアイディアの提供など、現代の写真を幅広いメディアにも変換し表現をしている。

遠藤文香

1994年生まれ。
2021年 東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了

主な個展
2024年 「Kamuy Mosir」LIBRIS KOBACO, 福岡
2023年「 Swaying Flowers – 揺らぐ花 – 」Live Art Gallery, 東京
「when I see you, you are luminous」Tokyo International Gallery, 東京
2022年「The belief in Spritual Beings」Nadiff Gallery, 東京
2021年「Kamuy Mosir」代官山蔦屋書 , 東京
「Kamuy Mosir」KITTE 丸の内 , 東京

主なグループ展
2024年「Luminescence Land – 発光地帯 -」T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO, 東京
「スパイラルダンス」 post-fake, 東京
「スパイラルダンス」 LIBRIS KOBACO, 福岡
「幕間 Vol.01 奥山の、しきみが花の名のごとや」Gallery & Restaurant 舞台裏
「ARTISTSʼ FAIR KYOTO 2024 」京都国立博物館 , 京都
2023年「マイマップでラインとシェイプを描画する」タカイシイギャラリー前橋 , 群馬
2022年「遊歩する分人」MA2gallery, 東京
「浅間国際フォトフェスティバル 2022」PHOTO ALT, virtual
2021年「キャノン写真新世紀 2021」 東京都現代美術館 , 東京

受賞
2024年 ARTISTSʼ FAIR KYOTO 2024 優秀賞
2021年 写真新世紀 2021 佳作入賞 ( オノデラユキ選 )
デザイン N 賞 ( 東京藝術大学大学院 )
2019年 安宅賞 ( 東京藝術大学大学院 )
2018年 デザイン賞 ( 東京藝術大学 )

出版
2024年 「Spiral Dance」 by Nihki, post-fake, 日本
2023年「Swaying Flowers」 by roshinbooks,

自然と人間の関係性を探求し、撮影する行為とアニミズムの想像力を介して対象との繋がりや親密さなどの精神的な関わりや霊性を表現している。幻視的で絵画的なイメージは自然と人為の境界の曖昧さを提示し、森羅万象と個との関係性についての再考を目的としている。主な個展に「when I see you, you are luminous」(Tokyo International Gallery, 東京 ) など。

駒瀬由宗

1987年 岐阜県生まれ
2011年 京都府立大学 人間環境学部 卒業
2013年 東京ビジュアルアーツ卒業

個展
2017年 “blackbox” Sezon art Gallery

近年のグループ展
2025年 Panoramic Room Point of Parallel
2025年 GOOD PROJECT exhibition POOL SIDE GALLERY
2024年 WHAT CAFE EXHIBITION vol.39 Emerging Directors & Curators U40
2024年 ZOOMS JAPAN 2024 exhibition パシフィコ横浜/Grande Halle de la Villette
2022年 YPF exhibition KYOTOGRAPHIE Information Machiya

受賞歴
2024年 ZOOMS JAPAN 2024 準グランプリ
2015年 写真新世紀 佳作(フリッツ・ヒールスベルフ選)

駒瀬は、主観と客観が入り混じったメディアとして写真を扱い、独自の表現を行ってきました。過去に、ZOOMS JAPAN 2024 準グランプリ、2015年 写真新世紀 佳作(フリッツ・ヒールスベルフ選)を受賞し、国内外で多数のグループ展に参加し活躍の幅を広げています。作家は近年、身近な自然を題材とし、環境倫理の考えをベースに人と自然の関係を考察した作品を発表しており、近作に、下水処理場からの温排水に生きる生き物たちを捉えた”NEW NATURE”、人工物に埋もれた土をテーマにした”OASIS”などがある。


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“EUKARYOTE”は、2018年に東京の神宮前に設立したアートスペースです。美術の発生より紡ぎ続けてきた現代の有形無形、その本質であり、普遍的な価値を持つ作品や作家を積極的に取り上げ、残していきます。


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