Give My Regards to Woodcarvers

Give My Regards to Woodcarvers

EUKARYOTE


Information

EUKARYOTEでは2026年7月17日(金)から8月9日(日)までの会期にて、佐藤蓮太、高橋直宏、葭村太一による「Give My Regards to Woodcarvers」を開催いたします。

三者はいずれも木彫を主な表現手法としながら、その向き合い方は異なります。
佐藤蓮太は、木を想像上の生命や神話的世界を形づくるための素材として捉えています。自身の空想の芽を、遥かな未来や未知の生命へと発展させるなかで、木はイメージに身体を与える媒体となります。自然素材がもつ偶然性に反抗しながらも受け止め、それらの行為自体を超自然的な存在との人間の関わりに見立てて自身の世界観へと取り込むことによって、独自の物語を立ち上げています。
一方高橋は、彫刻という歴史や文脈のなかに自身を位置づけながら、木という素材に対する実験的な往還を通して制作を進めます。切断や接続を可能にする木は、その取り回しやすさだけでなく、木目や割れといった制御しきれない自然の性質にも応答しながら、身体や彫刻そのもののあり方を問い直しています。
また、葭村太一は、木彫をデジタルイメージと現実とを接続するためのメディアとして扱います。
木がもつ物質として時間が刻まれたデータを通して、仮想空間に残された質感をもたないイメージを、記憶や場所性を伴う存在へと置き換え、記録と記憶、イメージと物質との関係を探っています。

本展では、共通の技法でありながら、それぞれ異なる視点によって木彫に向き合う三者三様の彫刻作品を展開します。空間を通して、身体のみならず人の存在そのものに対して訴えかけてくる感覚、そこから広がる物語に触れていただけましたら幸いです。

佐藤蓮太
人間や動物をデフォルメしたキャラクターのようなシルエットをモチーフに、日常のなかでふと感じる違和感や、小さな変化の兆しを起点に、現実と空想、人間と人間以外の生命がゆるやかに交差する独自の神話的世界を木彫によって展開しています。それらは、遠い未来に神として語り継がれた自身の偶像であったり、遥かな宇宙に存在する未知の生命であったり、変化を続ける生物の象徴として現れ、時間や場所を超えて連なり合うひとつの世界を形づくります。
木という原始的な素材を通して生み出される佐藤の作品は、私たちの日常を、壮大な神話や進化の物語へと静かに接続していきます。

高橋直宏
木彫を中心に、破損した作品や廃棄された既製品、過去作などを素材とし、分解と再構成を前提とした人体彫刻を制作しています。切断された頭部や胴体と手足を、一時的に接続し、展示毎に異なる身体を立ち上がらせる手法は、木を切断し、削り、接続し直すという素材への働きかけから生まれました。また、高橋は、言葉によって対象を一つの意味へと整理する認識に対し、その枠組みからこぼれ落ちるものへ関心を寄せています。身体を切断し接続する彫刻は、そのずれを可視化する試みでもあります。
高橋は身体をもつ人間の存在を、制度や技術、環境、他者との関係のなかで絶えず編成し直されるものとして捉えており、本展では特撮やヒーロー、怪獣、ロボットなどの身体表象を背景とした作品群を発表します。切断や合体を繰り返す身体に宿る、憧れと暴力、共同体と強制といった相反する価値観を行き来しながら、身体の条件や関係性、新たな彫刻のあり方を探っています。

葭村太一
都市の隙間や公共空間に残された痕跡や記憶を起点に、近年は街中に残された落書きなどを木彫へと再構築するシリーズを中心に制作を行っています。場所に残された記憶や痕跡のリサーチをもとに、映像や写真を組み合わせたインスタレーションとして発表するなど、木彫を軸に複数のメディアを横断しながら、イメージと物質、記録と記憶との関係を探り続けています。
本展で展開する、落書きをもとにした木彫シリーズの制作は、葭村自らGoogleストリートビュー上を巡り、世界各地に残された落書きを収集することから始まります。背景から切り離され、匿名性を帯びた平面的なイメージを起点に、木材が持つ木目や、そこに見出される温かみといった固有の質感を取り込みながら、立体へと再構成していきます。元になったイメージの再現に、制作の過程で立ち現れる木そのものの表情や造形を受け入れることで、作品にはプリミティブな息遣いが宿ります。時に現実からは消失してしまう、仮想空間のなかにのみ残されたイメージは、木彫へと置き換えられることで再び物質性と場所の記憶を獲得し、鑑賞者の前に新たな存在として立ち現れます。

休廊日

月・火曜日

デザイン

HOO VOO


佐藤蓮太

2000 宮城県生まれ
2026 金沢美術工芸大学大学院博士前期課程美術工芸研究科彫刻分野 修了

個展
2026「☆」POOL SIDE GALLERY/石川
2022「Peace」RIVER/石川

主なグループ展
2026「金沢美術工芸大学修了制作展」21世紀美術館市民ギャラリー/石川
2025「R&T」POOL SIDE GALLERY/石川
2024「淀みない食事/Pie in the sky」koen/東京
2023「Ⅱ」ひいなアクション/石川
2021「R&T exhibition」芸宿/石川

高橋直宏

1991 北海道生まれ
2020 金沢美術工芸大学大学院博士後期課程美術工芸研究科彫刻分野 修了

近年の主な個展
2025「インフラ・ヒュー/ マンと3つの C」トーキョーアーツアンドスペース本郷/東京
2022「standing on the balls of the feet」EUKARYOTE/東京
「Undertaker」 金沢アートグミ/石川

主なグループ展
2026「二人のサイズ」アート/空家 二人/東京
2025「wearing chimera skin」IN SITU/愛知
「美作三湯芸術温度2025」美作三湯エリア/岡山
「月の光に照らされた身体」Moon Gallery & Studio/東京
「Panoramic Room」 Point of Parallel/大阪
2024「Chimeric Sculpture Expression」AKI GALLERY/台湾
「MEMBRANES」CRISPY EGG Gallery/神奈川
「真実はそれが真実であるからでなく有意義であるから、我々の生活に価値がある」EUKARYOTE・アートかビーフンか白厨/東京

葭村太一

1986 兵庫県生まれ
2009 大阪芸術大学デザイン学科 卒業

近年の主な個展
2025「ランダムエンカウント」CAPSULE/東京
「High Tide」Open Contemporary Art Center/台北
「Dig Sculpture」W:R gallery/台中

主なグループ展
2026「Tell me why」NEW GALLERY/東京
2025「そのへんにあるもの」京都芸術センター/京都
「カイロスとクロノスの狭間」THE TERMINAL KYOTO/京都
2024「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」 六甲有馬ロープウェー 六甲山頂駅/兵庫
「BankART Life7 UrbanNesting:再び都市に棲む」BankART Station/神奈川


MORE EXHIBITION


“EUKARYOTE”は、2018年に東京の神宮前に設立したアートギャラリーです。美術の発生より紡ぎ続けてきた現代の有形無形、その本質であり、普遍的な価値を持つ作品や作家を積極的に取り上げ、残していきます。


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