EUKARYOTE
EUKARYOTEでは7月9日(金)から8月1日(日)までの会期にて、香月恵介による個展「Noumena」を開催いたします。
香月恵介は、現代における私たちのイメージの源とも言えるディスプレイ、その図像の発光をRGBに分解し、調合された絵具によって物理的に置き換える代表作、ピクセルペインティングを作家キャリアの初期より発表、今年の群馬青年ビエンナーレ(群馬県立近代美術館)に作品を出展するなど、独自の探求を続けています。
ピクセルペインティングから発展し、2019年の個展ではRGB3種の発光するイメージを一つの画面上に描いたタブローに対し、RGB3色のライティングを重ねるインスタレーションを用いた作品、「Lux」によって、光の認識不可能性を示しました。
本展では「Lux」の新作とともに、これまでピクセルペインティングの対となるコンセプトとして制作されてきた「Gray」の新作、「Gray : Noumena」を発表いたします。
「考えられたもの」、あるいは「仮想物」という意味を持つ「Noumena」の名が与えられた本シリーズは、CMY(シアン、マゼンタ、イエロー)の絵の具を画面上で混色することによって現れる灰色の絵画面に、ディスプレイ表示においては理論値であり、本来は吸収されているはずのRGB輝度値がランダムに表記されています。
私たちは物を見るときに、物そのもの、固有の色を見ているという概念を取り払えずにいます。
ですが、実際には物に光があたった際、光の波長の吸収と反射を同時に引き起こしている状態がそこにあることによって、私たちは一部の色でしかその物を観測できていません。
一方で、コンピューターの24Bitカラー表示色においては、理論上16,777,216種もの色をディスプレイへ表示可能にしますが、この膨大な数の色彩を見分けることは私たちには不可能と言えるでしょう。言い換えれば、ディスプレイ上には無数の灰色が想定されていますが、実際は光の明暗でしかないのです。
光を当てないと見ることさえできない絵画と、そのものが発光している画像とは色彩理論からして対照的であることを明らかにした上で、香月は「Lux」で減法混色であるCMYの絵に対し、加法混色である光のRGBを与えるという手法で、光=色彩と時間、それぞれの重なりと揺らぎを提示しました。
今回、メディウム=色材的灰色と、ランダム生成された仮想物としての光学的灰色の数値が混成された「Noumena」を介して灰色のイデアについて考えた時にこそ、私たちが視覚を通して捉えられない世界について想像を促し、視覚の内外に広がる身体的実体験の豊かな可能性について再認識する機会が与えられるでしょう。
月曜日
HOO VOE
DELTA Exhibition
2021/07/02 – 2021/07/31
TEZUKAYAMA GALLERY
https://delta-art.net
群馬青年ビエンナーレ2021
2021/07/17 – 2021/08/22
群馬県立近代美術館
http://mmag.pref.gunma.jp/
1991 福岡県生まれ
2014 東京造形大学 造形学部美術学科絵画専攻 卒業
2016 東京造形大学大学院 造形研究科美術専攻領域 修了
個展
2020「ELAPSE」SEZON ART SHOP, 神奈川
2019「Hope’s harbinger」EUKARYOTE, 東京
2018「Les Nymphéas」EUKARYOTE, 東京
2017「Image in the Light」Lower Akihabara., 東京
2015「Color Without Color」Art Complex Center Tokyo, 東京
「Filled with Light」Lower Akihabara., 東京
近年の主なグループ展
2021「DELTA Exhibition」TEZUKAYAMA GALLERY, 大阪
「SHARE the unprivate collection」コートヤード広尾, 東京
2020「EUKARYOTE POP UP SHOW」WHAT CAFE TERADA, 東京
「EUKARYOTE GROUP SHOW」EUKARYOTE, 東京
2019「イメージとの距離」関内文庫, 東京
2018「NOUMENON」TAV GALLERY, 東京
「PREVIEW」EUKARYOTE, 東京
2017「rgb+ 2017 exhibition vol.9」ZOKEI Gallery, 東京
「Japanese Contemporary Art Show」La Lanta Fine Art, バンコク
「CIRCUS vol.1」SEZON ART GALLERY, 東京
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