畑山太志個展「自由な現実」

畑山太志個展「自由な現実」

EUKARYOTE


Information

EUKARYOTEでは、2025年7月18日(金)から8月10日(日)の会期にて、畑山太志による個展「自由な現実」を開催いたします。本展では、かつての各テーマに回収されることなく、生き生きと「絵を描く」ことを先行する新しい試みから生まれた新作を発表します。

これまで、人が存在を感じつつも不可視であり非物質なものの視覚化を探りながら、オールオーバーな画面に現れる環世界、「草木言語」シリーズから浮かび上がってきた矩形など、様々な概念を絵画に取り入れ昇華させてきた畑山太志は、「VOCA展2023」で発表した《時間はすべてのものに内包される》の制作以降ここ数年、絵を描くという根源的な行為に立ち返りながら、コンセプトに基づく作為を手放し、筆致そのものに導かれる制作へと移行してきています。

今回、畑山は自らの意図をできるだけ排し、筆が運ばれるままに現れてくる絵の中に、かつての記憶や経験、これまでのシリーズにおける絵の構造や物質性が複層的に絡み合い、運動する空間が立ち上がってくることに注目しました。大らかな矩形や色面と余白、染みや塗りの向きなどに現れる、ひとつの筆致が空間を生み、それらの差異が時間の重なりを宿す絵画内部における現象の連鎖は、自身がかつて夜道でふと目にした星の光、神社の空気に満ちる何か、精神を何処かへ連れていくような眼底検査の光など、身体の奥深くに沈んだ記憶や感覚が呼び起こされると話します。

畑山は、不可視の世界への知覚と、絵を描くことによる世界の創造は、外と内という二項対立では捉えることのできない時空で起こっており、絵を描く行為の後から知覚が追いつき更新されることを示します。同時に、鑑賞者の記憶や身体感覚にも働きかけ、私たちが生きる現実は一つに縛られた進路やあり方ではなく、常に複数の時空の重なりによって成り立っており、無数の未来や可能性が開けていく、複雑な世界の肯定的な捉え方を示唆しています。ぜひ、ご高覧いただけましたら幸いです。

休廊日

月・火曜日

宣伝美術

明津設計

イベント

オープニングレセプション
7月18日(金)18-20時


畑山太志|Taishi Hatayama

1992年神奈川県生まれ。2017年多摩美術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画研究領域を修了。視覚では捉えることができない空気感や存在感の視覚化を試み、知覚の外側ではない身体が持つありのままの知覚を手がかりに、目に見えない世界を表象する。2014年に白を基調とした絵画作品で「第1回CAF賞」の優秀賞と名和晃平賞を同時受賞後、自然のさまざまな現象が持ちうる環世界や植物が多様な生物とともに形成するネットワーク、さらにはデジタルやAIまでをも含みこむ現代における新たな自然など、多様なモチーフをベースに制作を展開する。
近年の主な個展に、「未来の数」(コートヤードHIROO、東京、2023)、「親密な時空」(EUKARYOTE、東京、2023)。主なグループ展に、「群馬青年ビエンナーレ2025」(群馬県立近代美術館、群馬、2025)、「ドローイングの現在」(師岡制作所、埼玉、2024)、「VOCA展2023 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京、2023)、「attunement」(The 5th Floor、東京、2020)、「神宮の杜芸術祝祭」(明治神宮ミュージアム、東京、2020)、「網膜と記憶のミトロジー」(セゾン現代美術館、長野、2018)など。


MORE EXHIBITION


“EUKARYOTE”は、2018年に東京の神宮前に設立したアートスペースです。美術の発生より紡ぎ続けてきた現代の有形無形、その本質であり、普遍的な価値を持つ作品や作家を積極的に取り上げ、残していきます。


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