伊東謙介個展「BUILDING BLOCKS: an homage to Seth Siegelaub」

伊東謙介個展「BUILDING BLOCKS: an homage to Seth Siegelaub」

EUKARYOTE


Information

この度、EUKARYOTEでは2023年6月10日(土)から7月2日(日)までの会期にて、伊東謙介による個展「BUILDING BLOCKS: an homage to Seth Siegelaub」を開催いたします。ブロックチェーン技術の研究者であり、コンセプチュアル・アートに対し独自の洞察を行う伊東にとって初の個展となります。

伊東による構想は、所謂ハイ・アートとロウ・アート (アニメ、マンガなどを含むサブカルチャー)の境界が曖昧かつ、社会経済の膠着状態が続く現在の日本においては「芸術作品であるかどうか」の判断基準と、その決裁者の再考自体が新たな芸術運動になり得るのではないか、という考えから生まれました。

今回の展示作品におきまして、1階では本企画の協力者としてとあるアートコレクターの蒐集作品を設置し、同時にそれらの作品における、「市場の評価軸と専門家の評価軸を繋ぐ制度の提案」とする伊東の作品が並びます。そして2階より、Bitcoinプロトコルが初めて成し遂げた自律分散的な合意形成を例示するマシンや、合意形成への参加報酬として発行されるNon-Fungible Token (NFT) などが神性を帯びた空間として立ち現れます。

本展では一貫して、NFTや暗号資産の基礎にある自律分散的な合意形成の対象を、美術的な価値へと拡張する制度設計が試みられています。伊東はこうした試みを、1960年代後半から70年代前半にかけ、コンセプチュアル・アートの啓蒙に多大な貢献をしたアメリカ人キュレーター兼アートディーラーの故・Seth Siegelaubが当初目指していたものへの回帰とも位置づけています。

制度に対して批判ではなく設計に徹する本個展を、是非ご高覧いただけましたら幸いです。

*本展では、作家本人による関連ステイトメントも査読付き論文の形で公開されております。
概要は以下のとおりです:
Kensuke Ito; Be More Conceptual Regarding Non-Fungible Tokens (NFTs) as Art. Leonardo 2023; 56 (3): 290–291. doi:
https://doi.org/10.1162/leon_a_02366

Abstract
This statement presents the author’s proposition—“Let’s be more conceptual!”— in response to the attempt to interpret Non-Fungible Tokens (NFTs) as contemporary art. In the context of NFTs, this opinion has the significance of finding artistry in the underlying decentralized autonomous consensus-building, and in the context of contemporary art, it has the significance of leading to the revival of early conceptual art. The second half of this statement covers the novelty and feasibility of this opinion, referring to precedents in art and engineering.

休廊日

月曜日

デザイン

HOO VOO


伊東謙介

1991 山梨県生まれ
2014 早稲田大学 政治経済学部 経済学科 卒業
2016 東京大学 学際情報学府 社会情報学コース修士課程修了
2021 東京大学 学際情報学府 社会情報学コース博士課程修了

近年の主なグループ展
2022「MetaFair」Sono aida #shin-yuurakucho / 東京
2019「ESPlab “The Consensus”」Ai Koko Gallery / 東京


MORE EXHIBITION


“EUKARYOTE”は、2018年に東京の神宮前に設立したアートスペースです。美術の発生より紡ぎ続けてきた現代の有形無形、その本質であり、普遍的な価値を持つ作品や作家を積極的に取り上げ、残していきます。


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