Practice_02: 繰り返す

現在開催中

Practice_02: 繰り返す

EUKARYOTE


Information

EUKARYOTEでは、2024年9月20日(金)から10月20日(日)までの会期にて「Practice_02: 繰り返す」を開催いたします。

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2019/06/07 – 2019/06/30『Practice_01: 線を引く』
国境や性別、風景、動植物、コップや椅子に至るまで、人がものや事柄を捉えようとするときに、境界は生まれ、私たちはその境界線を利用して世界を認識することができる。しかし、あらゆる位相で現在引かれている補助線は、暫定的であり、認識の違いや多くの取りこぼしが存在していることもまた確かである。既に引かれた複数の位相にある境界線を、それぞれの作家の視点から再度考察し、新たな描線を生み出す試みである。
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上記は5年前に久保田荻須智広、畑山太志、三瓶玲奈、3名の作家によって行われた自主企画展『Practice_01: 線を引く』のステートメントになります。本展は「繰り返す」という言葉の持つ意味に加えて、前回の実践を一過性のものではなく定点として踏襲することも示す『Practice_02: 繰り返す』をコンセプトに、実践の連続性における現在地を示します。

久保田荻須智広は人々の価値観の生成過程に関心を持ち、近年では芸術作品の管理とそれに伴う負担という事柄を物理的創作を避ける手法で社会システムの再考を促してきました。前回の展示では、自身のアーカイブを用いて揺れ動く基準線を引き直す作品を発表し、今回の展示では2年前にEUKARYOTEでの個展で発表したインスタレーション作品を繰り返し再構成しつつ、3人による展示空間の支持体に介入することで、アートを取り巻く環境や慣習の再考を試みます。

一方で、可視の事物に対して自然や生命など、不可視の領域が存在する考えに基づき、前回は物質と非物質の境界線を探る視点で絵画を発表した畑山太志は、変化の狭間における日常的繰り返しの中で、頭脳的な制作が自然と内面化され、最近は環境的なものをより感じとる制作へと変化してきたと語っています。本展では過去「光」をテーマにしていた制作を振り返りながらも、繰り返しと変化のなかで制作したペインティングと、近年取り組んできたドローイングの作品を発表します。

また、三瓶玲奈は人間の知覚が事物に与える輪郭線だけでなく、知覚にとって実在する線を見出すことを、風景や静物をきっかけにキャンバスの上で試みてきました。今回は、繰り返しの要素を象徴するスケッチやドローイングに加え、全く同一の絵の制作を試みたとしても不可能であるという事実から、大きな繰り返しと小さな繰り返しについて思索し、2019年から現在に至る間に制作された、油彩画も含めた多様なシリーズから作品を抽出し出展します。それは“何を繰り返していて、何を繰り返さなかったのか、これから何を繰り返していくのかを、この繰り返しの中で考える”という自身のコンセプトに基づいています。

3名は、ポジティブにもネガティブにも捉えられる言葉である「繰り返す」というキーワードに反応し、更に話し合いを重ね、同じメンバーで実践を繰り返す行為や過程そのものに焦点をあてることによって、前回からの変遷上にある各自の制作活動をメタ的に炙り出し、新たな化学反応の観測を図ります。

休廊

月曜日

宣伝美術

明津設計

協力

Yutaka Kikutake Gallery
エブリチャンス合同会社

レセプションパーティー

10月12日(土)18-20時


久保田荻須智広

1992 東京生まれ
2017 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
2018~19 ウィーン応用芸術大学交換留学
2020 東京藝術大学美術研究科修士課程版画専攻 修了
2024 東京藝術大学美術研究科博士後期課程美術専攻油画(版画)研究領域 在籍

個展
2022「eat ro ekyu」EUKARYOTE/東京

近年の主なグループ展
2024「メディウムとディメンション:Maze」GASBON METABOLISM/山梨
2023「AIR3 SCG」BnA Alter Museum/京都
2020「attunement」花園アレイThe 5th floor/東京
「プロジェクト・ル・ボスケ」 日本国内の各自宅
「遊園地都市の進化-スクワット作戦会議 in 渋谷」RELABEL Shinsen/東京
「第68回東京藝術大学卒業・修了作品展」東京藝術大学

畑山太志

1992 神奈川県生まれ
2015 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻 卒業
2017 多摩美術大学大学院美術研究科博士前期(修士)課程絵画専攻油画研究領域 修了

近年の主な個展
2023「未来の数」コートヤードHIROO/東京
「親密な時空」EUKARYOTE/東京
2022「客観の方法」Gallery Pictor/神奈川

近年の主なグループ展
2024「EUKARYOTE GROUP SHOW 2024」 EUKARYOTE/東京
2023「Light Echo」コートヤードHIROO/東京
「VOCA展2023 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」上野の森美術館/東京
「中心はどこにでもあり、多数ある − Final Group Show」宝庵、Gallery Pictor/神奈川
2022「ACTIVATE KOGEI+ART」 松屋銀座8階イベントスクエア/東京
「Arts & Library Show《中心はどこにでもあり、多数ある》」 Gallery Pictor/神奈川

三瓶玲奈

1992 愛知県豊田市生まれ
2015 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻 卒業
2017 東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画 修了

近年の主な個展
2024「光をたどる」Yutaka Kikutake Gallery/東京
2023「周縁を解く」Gallery Pictor/神奈川
2022「光をつかむ」Yutaka Kikutake Gallery/東京

近年の主なグループ展
2024「anonymous art project『collective 2024』」OMOTESANDO CROSSING PARK/東京
「Gallery Pictor 2023年プログラム《あそぶものたち・すさぶものたち》Final Group Show」Gallery Pictor/ 神奈川
2023「sky」Yutaka Kikutake Gallery/東京
「MEMORIES 01 selected by Yoshiaki Inoue」CADAN 有楽町/東京
2022「出張モノローグス at ガスボン #1」GASBON METABOLISM/山梨
「can (not) reach」EUKARYOTE/東京


MORE EXHIBITION


“EUKARYOTE”は、2018年に東京の神宮前に設立したアートスペースです。美術の発生より紡ぎ続けてきた現代の有形無形、その本質であり、普遍的な価値を持つ作品や作家を積極的に取り上げ、残していきます。


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