松田将英個展「Extreme Conceptual / Next Level」

松田将英個展「Extreme Conceptual / Next Level」

EUKARYOTE


Information

EUKARYOTEでは2022年末より会期を延長、2023年1月10日(火)から1月22日(日)まで展示内容を一部アップデートし、ソーシャルメディア時代のコンセプチュアルアーティスト・松田将英による個展「Extreme Conceptual / Next Level」を開催いたします。

松田は1986年生まれ、インターネット社会を鋭く批判しながらも、その仕組みに染まらず、視覚的・構造的な側面のみを利用し、テクノロジーから派生する社会的・文化的な問題を顕在化させるアーティストとして知られています。

2010年代より匿名のネットパーソナリティとして活動を開始。《サザエbot》など複数のアカウントを介し、人々と協働するイベントやインストラクション、パフォーマンスによって大きな注目を集めました。ソーシャルメディア以降の主体や作者性を問うその活動は、直接的に都市や社会に介入することで新たな共同性を生み出す実践として高く評価され、2016年には世界で最も歴史と権威のあるアルス・エレクトロニカ賞にて、日本の個人では初となるデジタルコミュニティ部門での受賞を果たしました。

2016年よりベルリンに移住。2020年に帰国し、実名での活動を開始。浸透したネットワーク環境に基づく鑑賞体験の設計や、タイムラインにおける大衆心理の可視化、ホワイトキューブにとらわれない大胆かつ詩的な芸術実践は、新世代のコンセプチュアル・アーティストとして注目を集めています。

本展「Extreme Conceptual」は、歌舞伎町の路上に設置されたNFT自動販売機や、巨大な絵文字バルーンで注目を集めた《The Laughing Man》、東京オリンピックと同時期に発表され、国内外のメディアで多数紹介された《Ripples》、ハッシュタグ投稿数で価格が決まる《Portrait》、作品販売にサブスクリプションシステムを導入した《White Magazine》など、代表的な過去作のインスタレーションで構成されます。

同時に、これまで語られることの少なかったコンセプト、ドローイング、独自のセオリーを含むプロポーザル資料、そして背後に忍ばせたタグラインを公開。アートのみならず、マーケティングやコンサルティングで用いられるフレームワークから、ソーシャルイシュー、技術トレンド、スピリチュアルにまで及ぶ横断的なリファレンスのカットアップが初公開されます。

ランダムに打たれた過去作の点から、作家像を星座のように浮かび上がらせる試みは、アルゴリズムやアポフェニアが引き起こす「陰謀論の時代」への警鐘とも捉えられます。平坦化された時間と空間が幾重にも重なり合うプロットを、私たちは解読することができるのでしょうか。あるいは、解読することは正しいのでしょうか。本展3階にて公開される映像作品で、松田は以下の言葉を引用します。

「分析すればするほど、物事が曖昧になる。」(ティモシー・モートン、哲学者)

過去作展であると同時に新作展でもある本展で、松田は鑑賞者にさらなる揺さぶりをかけます。是非ともご覧くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

休廊日

月曜日

デザイン

相島大地

音楽

荒井優作

テクニカル

川井田大典

協力

筒井一隆
布施琳太郎
PROJECT ATAMI
黒沢聖覇


MORE EXHIBITION


“EUKARYOTE”は、2018年に東京の神宮前に設立したアートスペースです。美術の発生より紡ぎ続けてきた現代の有形無形、その本質であり、普遍的な価値を持つ作品や作家を積極的に取り上げ、残していきます。


PAGE TOP