山内祥太個展「愛とユーモア」

山内祥太個展「愛とユーモア」

EUKARYOTE


Information

EUKARYOTEでは2022年7月16日(土)から8月12日(金)までの会期にて、山内祥太による個展「愛とユーモア」を開催いたします。

山内祥太は1992年生まれ、2016年に東京藝術大学映像研究科メディア映像専攻を修了。3DCGとクロマキー合成を組み合わせた映像制作から作家キャリアをスタートさせ、近年はVRといった最新の技術と身体的なパフォーマンスを組み込んだ作品作りに取り組んでいます。昨年「TERRADA ART AWARD 2021」で発表されたインスタレーション作品「舞姫」は、大型ディスプレイに映し出された皮膚を纏うゴリラと、生身のパフォーマーがモーションキャプチャーを取り付けたスーツを介して繋がる様子を、人間とテクノロジーとの恋愛に喩ており、肉体的・精神的繋がりを求め合う両者の関係を描き出した本作は大きな反響を呼び、金島隆弘賞とオーディエンス賞を受賞しました。

本展にて発表する、彫刻と映像による新作「Tina」は、愛そのものを形作りたいという山内の思いが、極めてフェティッシュな姿で立ち現れます。無数の長い毛で覆われた身体は、愛する対象との同化を望む、ある種倒錯した感性そのものが具現化した姿として受け取ることができ、作品制作の上で臭覚や触覚を頼りにする山内が、それらの感覚を通じて引き起こされる感情を、彫刻という実体として、または映像というイメージとして、鑑賞者に対しいかに呼び起こすことができるかという挑戦でもあります。

また新作に加え、「SASUKE」や「コンドルは飛んでゆく」など、キャリア初期の映像作品のスクリーニングも行います。これらの映像は簡素な3DCGで構成された世界に山内自身が登場し、山内が撮影した有象無象の風景が再構築された荒削りな質感のなか、軽快に冒険する姿が特徴的です。当時、3Dスキャンによって生成されたCGを初めて見た山内は、質量を伴わない粘土のようなマチエールを感じたと回想しており、いびつなCGを手で触るように映像の世界へ入っていく、山内の身体性に溢れ出るユーモアから、愛へと姿を変えていくフェティシズムのスタート地点と、山内の作品に一貫する不気味さや暴力性といった、表裏一体の美しさの一端をみつけることができるでしょう。

本展のタイトルは、近年の制作の根底にあたるテーマを「愛」、山内の活動が周知されるきっかけとなったキャリア初期の作品群を「ユーモア」として位置付けたもので、現在に至るまでを大きく2つに分け、1、2Fにて新作を発表、3Fでは過去の映像作品を紹介いたします。

休廊日

月曜日

デザイン

HOO VOE

制作協力

株式会社SELECT D

大石雪野


山内祥太

1992 岐阜県生まれ
2014 金沢美術工芸大学美術工芸学部彫刻専攻 卒業
2016 東京芸術大学映像研究科メディア映像専攻 修了

近年の主な個展
2022「Ballet Mécanique」RICOH ART GALLERY /東京
2021「第二のテクスチュア(感触)」Gallery TOH /東京

近年の主なグループ展
2022「鈴木大拙展 Life=Zen=Art」ワタリウム美術館 /東京
2021「TERRADA ART AWARD 2021 ファイナリスト展」寺田倉庫 /東京
「水の波紋展2021 消えゆく風景から ー 新たなランドスケープ」ワタリウム美術館 /東京
「多層世界の中のもうひとつのミュージアム——ハイパーICCへようこそ」NTTインターコミュニケーション・センター /東京
2019「六本木クロッシング2019展:つないでみる」森美術館 /東京


MORE EXHIBITION


“EUKARYOTE”は、2018年に東京の神宮前に設立したアートスペースです。美術の発生より紡ぎ続けてきた現代の有形無形、その本質であり、普遍的な価値を持つ作品や作家を積極的に取り上げ、残していきます。


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