現在開催中
EUKARYOTE
EUKARYOTEでは、2025年5月10(土)から6月1日(日)までの会期にて、Manos、Shared Praxis、{} 、三者の共同キュレーションによる「U.F.F.U.」を開催致します。
・ステートメント
展覧会プロジェクトUtopia Feeling Feeding Utopiaは、現代社会におけるコミュニティと孤立の矛盾を抱えたあり様に焦点を当てたものである。あたかもその場所にいるかのように、感じ得るものになるかもしれない。
共有と所有の狭間で形成される流動的なアイデンティティを検証し、そこでは作家性と権威が絶えず再定義される。この展覧会では、ユートピア的な願望とディストピア的な現実の両方が混在する集団意識の中で、帰属意識と疎外感がどのように共存しているのかを探る。
この展覧会では、個人が孤独や孤立といった個人的な感情と闘いながら、共同体における公的なアイデンティティをどのようにナビゲートしているのかを調査する。
「共有された経験」と「個人的な物語」を通して、アーティストたちは集団的な経験と個人的な物語との間の緊張を浮き彫にし、個人的な物語がどのように共同体的組織に貢献し、時には対立するかを説明する。「存在すること」と「存在」、時間的ズレ、それらを通して、常に気が散ることを特徴とするデジタル時代において、物理的に現在に存在することと、真に参加していると感じること、あるいはつながっていると感じることの違いを探求する。
刹那的なつながりの中で、つかの間の交流や一時的なつながりが、共有空間における帰属意識や存在感にどのような影響を与えるかを検証する。
オーサーシップとオーソリティーは、オーサーシップの断片化された力(ロラン・バルト)として位置づけられ、アートや社会における権威、オーソリティーシップ、オーセンティシティーの概念に、複数の声がどのように貢献し、また挑戦しているのかを考察する。
このプロジェクトを通して、権威と個人の自律性のバランスが、リミナル・スペースを横断し、相互作用の閾値を剥き出しにする中で、公的な言説と個人のアイデンティティをどのように形成しているのかを考察したいと思う。
U.F.F.U.は、都市環境、デジタル・プラットフォーム、文化施設など、共同体と孤独が交錯する空間におけるアート作品に焦点を当てる。
出展アーティスト:
Erika Malzoni / Marco Strappato / Matteo Cremonesi / Andrea Istvan Franzini / David Horvitz / Miltos Manetas /
Chiara Smedile / 綾野文麿 / Marco Pio Mucci / Jesse Hogan / Giorgio Cellini / 道前碧 / 五十嵐愛実 / Akiko
Utsumi / Viktoria Kurnicki / 海野林太郎 / Chunxiao Qu / Claudia De La Torre /A2 Abd El Monim / Boey / Danilo
Stojanovic / Robin Waart /Andrea Croce / Francesco Alberico / Philip Horst / Giovanni Oberti /aec3 studio / Lisa
Ponti / Lorenzo Bellini / Léann Herlihy.et.al
月・火曜日
Manos
Shared Praxis
{}(cacco ※川口遼大, 道前碧)
Manos
Shared Praxis
{}(cacco ※川口遼大, 道前碧)
小野寺希羽
Léann Herlihy, UTOPIA (2024), car bumper sticker
トークイベント
「ユートピアを感じる可能性/小さなユートピア」・「ビフォ・ベラルディの世界」
日時:2025年 5月9日(金)17:30 – 18:30, 18:30 – 20:00
会場:東京藝術大学上野キャンパス 講義室1(中央棟, 大講義室)
ゲストスピーカー:フランコ・ビフォ・ベラルディ(映像作家、理論家、社会学者 – イタリア)、フェデリコ・カンパーニャ(哲学者 – イタリア)、ミルトス・マネータス
ゲスト出演:デイヴィッド・ホルヴィッツ、リディア・キシノガラ、ショーン・セローニ
寄稿:フランチェスコ・テナグリア、キアラ・スメディーレ
司会:ジェシー・ホーガン(東京藝術大学油画学科准教授)、アンドレア・イストヴァン・フランツィーニ(マノス・キュレーション – イタリア、ミラノ)、 川口遼大 / 道前碧 (キュレトリアルコレクティブ{} (cacco)
通訳 : 太田宗宏
イタリアを拠点に活動するアーティスト、アンドレア・イストヴァン・フランツィーニが率いる共同キュレーター・プロジェクト
で、オーストラリア/東京を拠点に活動するアーティスト、ジェシー・ホーガンのコレクティブ・アート・プロジェクト「Platform for Shared Praxis」のコンセプトと戦略を発展させた「Manos.Manos.Manos」というコレクティブ・タイトルで活動している。
アーティストたちが初めて出会ったのは、ホーガンが2020年に勤務していたミラノのプラダ財団美術館だった。彼らは連
絡先を交換し、シドニー-ミラノ-東京間のコラボレーションについて話し合い始めた。アンドレアは2023年、シドニー・エディション「Cloud & Toe」KNULPギャラリーに招待された。それ以来、ミラノ展「ESCAPE STRATEGIES」Via Watt_Projects 2024 / 東京展「DOUBLE FICTIONS」Same_Gallery 2024 + Plus + (最近彼らが築いたコネクション) 新進日本人アーティスト、道前碧&キュレーター、川口遼大(cacco_official)のコネクションを築き、最近では彼らの展覧会「PORTS, AIR, FOR, MUSIC」The 5th Floor, Tokyo 2024を共同キュレーション。
展示作品『Platform for Shared Praxis』には、日本とオーストラリアのアーティストによる、重要なアーカイブの断片、完成したプロジェクトの一部、小作品、「特定のオブジェクト」が含まれている。構築された「プラットフォーム」インスタレーションは、これらのバラバラな「実践の成果物」を統合し、全体としてひとつのマルチ・メディア・インスタレーション作品に仕上げている。キュレーション、コラボレーション、文化交流などの概念を伝える「Platform for Shared Praxis」は、相互に結びついた実践(Praxis)の概観を提示する。
{}は、2023年から東京で活動しているキュレーター集団。{}は数学において空集合を意味するが、これは彼らの東アジアの伝統的視座からみたキュレーションに対する一つの解である。同時に美術の歴史から何かを再定義することの象徴の様なものである。
海野林太郎は1992年、東京都生まれ。美術家。新興宗教やテレビゲーム、映画、無人航空機など、多様なモチーフを取り上げ、映像やインスタレーションを中心に制作を行っている。加えて、絵画、立体、テキストといった他のメディアによる表現も手がける。近年は、「メディアと人間、社会と個人の関係を考察しながら、個人が信じるものや見えている世界をどのように描けるか」というテーマを軸に活動している。主な活動に、EUKARYOTEや銀座 蔦屋書店での個展、磯村暖とのユニットで参加した「Phantasmapolis – 2021 Asian Art Biennial」(國立臺灣美術館)などがある。また、「カタルシスの岸辺」のコアメンバーとして、越後妻有里山現代美術館での個展や、台湾・桃園市でのパブリックアートの制作・設置も行う。2023年より、国際フェスティバル「科学と芸術の丘」にて展示ディレクターを継続して務めている。
ウィットに富み詩的なデイヴィッド・ホルヴィッツの作品は、言語、時間、ネットワークのシステムに干渉する。
カテゴライズを避け、写真、アーティスト・ブック、パフォーマンス、インターネット、メール・アート、サウンド、ゴム印、美食、
自然環境などの形態を横断する、彼の広範で遊牧民的な作品群。彼の作品は、場所、人、時間の間の距離の問題を検
証し、これらの距離を流用し、損ない、あるいは消去する可能性を試すものである。イメージ、テキスト、オブジェを用いた
彼の作品は、彼自身から独立して流通し、親密な領域に浸透していく。郵便システム、図書館、空港の遺失物取扱い所な
どで彼の作品に出会うとき、私たちは限りなく小さいもの、内在する抜け穴、代替的な論理、想像力に注意を向けるように
なる。子守唄のように私たちの心に刻み込まれるホービッツは、思索の対象として、また個人的な規模で変化に影響を与
えるバイラルな、あるいはシステム的なツールとしてアートを展開する。ホービッツは、現実の中に密かに入り込む虚構を
作る。
2002年生まれ、上板橋出身。キュラトリアルコレクティブ{} (cacco)主宰。心的操作と概念芸術との関係性を模索。主な展
覧会に「{}」(デカメロン, 東京, 2023), 「Escape Strategies」(via Watt projects, ミラノ, 2024), 「港, 飛行, 為, 音楽」(The 5th Floor, 東京, 2024)。
マルコ・ストラッパート(ポルト・サン・ジョルジョ、1982)は、ミラノを拠点に活動するイタリア人アーティスト。ロイヤル・カレッジ・オブ・アート・ロンドンで修士号、ブレラ・アカデミー・ミラノで美術学士号、フィレンツェ美術アカデミーで美術学士を取得。彼の作品は、コラージュ、ビデオ、写真、インスタレーションを含む学際的な実践を通して、イメージの生産とイ
メージの流通に対する現代の理解を緊急に見直すことに取り組んでいる。主に、デスクトップの壁紙(欲望や逃避という概念と密接な関係がある)など、風景のイメージを使用する。これらのイメージは、本物と非本物、エキゾチックなものと親しみのあるもの、人工的なものと自然なものといった修辞的な言説の中で、同時代における美的経験を理解するために使用されるかもしれない。
受け手としての作家ロビン・ワールトは、本、映画のスチール写真、写真、ポラロイド、本のページを使ったプロジェクトの枠組みとして、反復と収集を用いる。彼の作品は、同じものを何度も見ること、あるいは同じことをすることが何を意味するのか、という(非)継続性についての疑問を投げかける。受け手と作者の関係に焦点を当てた彼のプロジェクトは、私たちがなぜ、そして誰のために何を作るのか、その理由を問いかける。
Andrea Istvan Franziniへのお問い合わせは、お電話にてお願いいたします: +39 3337041187
ジェシー・ホーガンは、オーストラリア・シドニー出身の画家/作家/コンテンポラリーアーティスト。コンテンポラリー・アー
ト、コンセプチュアル・アートの理論や実践における絵画の遺産と文化的影響をナビゲートする。現象学やポスト構造主義に関心を持ち、これらの概念が絵画、テキスト、ビデオ、彫刻、インスタレーションにおいてどのように表現されているかを研究している。
綾野の作品は日常的なイメージや物体に焦点を当て、それらを修正し再解釈しながら現代美術史における写真の役割をしばしばレファレンスする。それは社会的および日常的な現象を分析・解体することによって行う。その際、言語的な特性を考慮し、特定の言葉やフレーズの意味や語源を遊びに使い、文化的な習慣、伝統、信念の表現に疑問を投げかけることを目的としている。
ミルトス・マネタス(ギリシャ語:Μίλτος Μανέτας、1964年10月6日アテネ生まれ)はギリシャの画家、マルチメディア・アーティスト。現在はボゴタ在住。1990年代後半から、ケーブル、コンピュータ、ビデオゲーム、ウェブサイトを題材にしたインターネット・アートや絵画を制作。ニコラ・ブリオーがキュレーションした1995年の「トラフィック」展への参加は、リレーショナル・アートの始まりとされる。
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