目撃する影

目撃する影

EUKARYOTE


Information

EUKARYOTEでは、2024年3月1日(金)から3月24日(日)までの会期にて「目撃する影」を開催いたします。

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影が世界を目撃している。

時間の推移を汲み込みながら、その身を持って空間を測り、痕跡を残さずに物質の表面を滑っていく。沈黙の底を響もす低音、ほんの少し光に遅れて、すでに・そこにあった衝撃を証言する。影は光に受肉させられた当事者であり、見たくないものが見せつけられた受け身的な証人のようだ。

命を授かる/生きること、見る/見られること、受け取る/受け取らされること、複数の力能による作用、摩擦、共振、衝突、せめぎ合って響き出された音が交差する場を、このグループ展で目撃していただきたい。3人の作家と無数の瞬間、または18フレームで切り取られた瞬間と無数の物質、または追憶できる画像と意識されない無数の影。

じっさい、世界は記憶されるはずもない数の画像に溢れている。気付かれることなく、居座り続けるだけの影に膨らませられている。当然のように、影は迫ってきている。

歴史的な事件や歴史に作られた文脈は、我々の生・視線・行為の外にあるものではなく、限りなく我々の生・視線・行為の中にあり、と同時に私たちはそれらをどうにもできない。現代社会のパラドックスはとても写真的である。写真を切り取るが、写真をどうにもできない。

写真はそのパラドックスを背負い、それに人々の目を向かわせ、知らしめてきた。真実が告げられて激怒した人間は、写真を抹消しようとしてきた。その結果として、美化され、浄化され、アルゴリズム化された写真のような画像が、眠ることなく機械的に作り出されている。

写真と機械的に生産される画像と本質的に異なるところは、影に身を潜めながらも世界を真摯に見つめる主体の存在と不在にかかっている。機械的に作り出される画像は、メディウムや絵柄、手法などと関係なく、虚しくて、卑怯で、魂を蝕んでかろうじて生き長らえている。華やかに演出された偽りに、影は徹底的に対峙する。
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LILY NIGHT

休廊

月曜日

キュレーション

LILY NIGHT

デザイン

HOO VOO

協力

赤々舎


石川竜一

1984 沖縄県生まれ
2006 沖縄国際大学科社会文化学科卒業

近年の主な個展
2023「音景色」GALLERY KTO 東京
「風土 人間の殻」コミュニケーションギャラリーふげん社 東京
2022「zk」PURPLE 京都
「RECORDry」gallery kto 愛知
「いのちのうちがわ」The Third Gallery Aya 大阪
2021「草の肌」GALLERY KTO 東京
「いのちのうちがわ」SAI 東京

近年の主なグループ展
2022「コレクション1 遠い場所/近い場所」国立国際美術館 大阪
「Still Alive 国際芸術祭 あいち2022」愛知芸術文化センター 愛知
2021「絶景の瞬間」The 5th Floor 東京
2020「Decades 2000_2020」Kana Kawanishi Gallery 東京
2019「作家と現在」沖縄県立博物館・美術館
「 Oh!マツリ★ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー」兵庫県立美術館 兵庫
2017 年「日産アートアワード2017」BankART Studio NYK 神奈川
2016「Body/Play/Politics」横浜美術館 神奈川
「六本木クロッシング2016 展:僕の身体、あなたの声」森美術館 東京

山上新平

1984 神奈川県生まれ
2007 東京ビジュアルアーツ卒業

近年の主な個展
2023「liminal (eyes)」PURPLE 京都
「liminal (eyes)」本屋青旗 福岡
「liminal (eyes)」POETIC SCAPE 東京
2022「Helix」minä perhonen 東京/京都
2020「Photography Show」Dolphy 東京
2019「Refined black」Laboratory ∆II 東京
「The Disintegration Loops」POETIC SCAPE 東京
「山上新平展」思文閣 東京/京都

近年の主なグループ展
2023「見るまえに跳べ 日本の新進作家 vol.20」TOP MUSEUM 東京
2020「安齋賢太/山上新平 二人展」寺田美術 東京
2017「3daysEXHIBITION」SEZON ART GALLERY 東京

LILY NIGHT

1988 中国黒龍江省生まれ
2019 東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修了

近年の主な個展
2022「sub-sublime」デカメロン 東京
「A Picnic to the Clear Sky」京都岡崎蔦屋書店 京都
「Exchange Time」ソニーイメージングギャラリー 東京
「ABSCURA」リコーイメージングスクエア 東京
2021「Enter the Void」NOHGA HOTEL UENO TOKYO 東京
「局部麻酔」銀座蔦屋書店 東京

近年の主なグループ展
2023「ARTIST NEW GATE ファイナリスト展」あべのハルカス・アートギャラリー 大阪
「sanwacompany Art Award ファイナリスト展」sanwacompany Show Room 東京
2022「echo chamber」EUKARYOTE 東京
「Diversia – UN Calendar」オンライン
2022「ART IS」What Cafe 東京
「Diversia – UN Calendar」オンライン カナダ
「Women in Art」オンライン展示 Las Laguna Art Gallery アメリカ
2021「第5回 深圳国际写真祭」中国
「Mapping from Home 東京芸術祭」Turner Gallery 東京
「Naked Image」ヒルトピア 東京


MORE EXHIBITION


“EUKARYOTE”は、2018年に東京の神宮前に設立したアートスペースです。美術の発生より紡ぎ続けてきた現代の有形無形、その本質であり、普遍的な価値を持つ作品や作家を積極的に取り上げ、残していきます。


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