ユアサエボシ個展「プラパゴンの馬」

ユアサエボシ個展「プラパゴンの馬」

EUKARYOTE 1F 2F


Information

EUKARYOTEでは2019年3月7日(木)から3月31日(日)までの会期にて、ユアサエボシによる個展「プラパゴンの馬」を開催致します。
大正生まれの架空の三流画家であるユアサエボシ、今展覧会では2015年に美術出版社から発見された当時の文化人の執筆による原稿資料の公開とともに、1965年に京橋の貸し画廊で行なわれた個展の再現を2Fにて行います。

ユアサエボシの魅力はその背景となる時代の選定、日本の美術史だけでなく国際社会においても大きな変革をもたらした激動といえる歴史を骨子とした設定の詳細さから、新聞を素材とした情報と記憶の再接続を試みるコラージュや、シュールなペインティング作品に至るまでユニークさもさることながら、現代のユアサが記録に残るたびに美術史に差し込まれた架空の情報が虚実入り混じり一人歩きする様は、ある種の共犯関係を要求し、一層複雑化しハイコンテクストな様相を呈する現代アートの構造を露顕させる巧妙な手法にも見出せます。

本展のメインは2Fの「黒い紙芝居シリーズ」の公開となります。架空のユアサが少年時代に東京の親戚の家に遊びに行った際に見た紙芝居や、戦後に研究所時代の知人、加太こうじに頼み、紙芝居の着色を担当する“ヌリヤ”の仕事をやった記憶、こういった思い出から紙芝居のサイズであるB4サイズに描かれたコラージュ的絵画は、戦中・戦後から東京オリンピックにいたるまでの社会風刺や、ユアサ個人の記憶、思想などが盛り込まれているとされています。
また1Fでは、戦時下の子供たちが愛読した雑誌「少年倶楽部」を使ったコラージュシリーズや、戦争裁判における誤訳をテーマとした絵画、うつ病の症状の一つである独り言を可視化した絵画作品などを展示致します。

架空のユアサエボシは1930年代に前衛画家と云われた福沢一郎の絵画研究所でシュールレアリズムの多大なる影響を受けて制作していました。本展と同時期に行われる国立近代美術館での師の回顧展と是非あわせてご覧いただき、ユアサエボシの活動の一片と、当時から現代に至るまで美術の変遷を追想頂ければ幸いです。

オープニングレセプション

2019.3.8 (金) 18:00-20:00

定休日

月曜日

デザイン

西頭慶恭

設営協力

海野林太郎


Artist

ユアサエボシ
1983年千葉県生まれ
2005年東洋大学経済学部卒業
2008年東洋美術学校絵画科卒業

主な展覧会
2018「シェル美術賞アーティストセレクション」国立新美術館
「Multi shutter」EUKARYOTE
「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」六甲山
2017「中之条ビエンナーレ」中之条
「岡本太郎現代芸術賞」川崎市岡本太郎美術館

主な受賞
2018「第10回絹谷幸二賞」

架空の略歴はこちら
http://eukaryote.jp/exhibition/eboshi_yuasa_solo_ex/


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“EUKARYOTE”は、2018年に東京の神宮前に設立したアートスペースです。美術の発生より紡ぎ続けてきた現代の有形無形、その本質であり、普遍的な価値を持つ作品や作家を積極的に取り上げ、残していきます。


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