“para nature” アーカイブ発刊

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“para nature” アーカイブ発刊

EUKARYOTE


Information

この度EUKARYOTEより、昨年(2018年)11月に開催された、阿部祐己、衣真一郎、荒木美由、畑山太志の4人の作家による企画展「para nature」アーカイブの発刊をお知らせ致します。
EUKARYOTE公式ウェブサイトよりPDFを配布、各自ダウンロード可能なデータ形式となります。

4人の作家の作品や展覧会開催時のインスタレーション風景写真と、美術批評やキュレーション活動を行う吉村真が、パートナーとして参加した本企画についてテキストを執筆し、宣伝美術として加わった浅田農がアーカイブブックのデザインを施しました。
A4サイズの紙に出力をして、お読みいただくこともできる仕様になっています。
ダウンロードはフリー(無料)ですので、是非お手にとってご覧ください。

以下、昨年の本企画展覧会にあたり吉村氏に頂いたもので、アーカイブブックにも掲載されているテキストを一部抜粋して紹介いたします。


ティモシー・モートンが述べたように、「自然は神的なもの(divine)と物質的なもの(material)のあいだで揺れ動いている」。近代以降の人間社会とのかかわりにおいて、自然–––人の手と無関 係に生じる存在–––はおおむね宗教的な憧憬の対象とモノづくりの単なる素材という両極に引き裂かれている。人間の知覚を圧倒する崇高な風景のなかで神との合一を求めるロマン主義と、自然美を人間の幾何学的精神の反映とみなし、目的にかなったフォルムに物質を従属させる合理主義。近代芸術におけるこの二大思潮が結果して、今日の消費社会は人工的に構築された都市環境で、合理主義的に整えられた自然の断片、あるいはロマン主義的な風景のイリュージョンを欲望していると言えようか。それゆえモートンは、地球環境と人間社会の真にエコロジカルな共生を思考するために「自然」の概念を手放すことを主張する。
だが本当に「自然」は地球環境を崇高なもののお手軽なイメージと制御され素材化された断片に 変えてしまっただけだろうか。むしろ「産出する自然」は今も昔も私たちに働きかけ、私たちを巻き込み、地球の環境自体にとって未知の風景を開いていく力であるとも考えられる。切り離されているのでも、一体化しているのでも、一方が他方を支配しているのでもなく、親密でありながら闘争をはらむ、人と地球、人為と自然のそうした関係から生まれるモノや風景を“para nature”と呼んでみよう。それはデ゙ィストピア的なヴィジョンを描くかもしれないし、共生の可能性を示唆するかもしれない。自然の傍らで、自然に倣いながらも、ときに自然とは別の何かを呼び寄せる人為=artを それぞれの距離感で表現する四作家のグループ展はどのような風景を見せてくれるだろうか。

吉村真

仕様

ウェブ発行
23頁


“para nature” アーカイブ


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“EUKARYOTE”は、2018年に東京の神宮前に設立したアートスペースです。美術の発生より紡ぎ続けてきた現代の有形無形、その本質であり、普遍的な価値を持つ作品や作家を積極的に取り上げ、残していきます。


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