FLUSH-水に流せば-

FLUSH-水に流せば-

EUKARYOTE


Information

EUKARYOTEでは2021年2月19日(金)から3月14日(日)の会期にて「FLUSH-水に流せば-」を開催致します。

本展「FLUSH-水に流せば-」は、循環や水への関心などを作品の鍵として制作している黒坂祐、千葉大二郎、藤倉麻子、光岡幸一、渡辺志桜里。キュレーションを吉田山(FL田SH)が担当している。FLUSH(フラッシュ)とは洗い流すことであり、日々行う日常での身体的な作業である。
「水に流す」とは、日常的な行為であるとともに日本においては精神的にも重要な概念であり島国内で共同体(人間関係)を継続させる合言葉であり、数々の物事は水に流されてきた。
吉田山がディレクターを務めていたFL田SHが入居していたビルが渋谷区の再開発の波に流されてしまったことにも由来する。

今展では、試みの一つとして、アーティスト、キュレーター、ギャラリスト、鑑賞者、そして人間というラベルも水に流し、全てを「WATER」とする。意図としては、フラットな組織構造の形成、世界中に起こるジェンダーや人種の問題、コミュニケーションの難しい植物等に対して当事者性を持つためでもある。

上善若水。水善利万物、而不争。処衆人之所惡。故幾於道。
老子 第八章

道教の老子によれば水とは調和の象徴である。そして「道」とは自然の法則に則るということである。FL田SHを振り返る、態度としてスペースの内部空間を路上(ストリート)と見立てることで、美術作品を非日常化せず、緩やかに日常に繋いでいくことであった。この老子の水の教えまさに温故知新、これからのストリートの思想と言いえることができるかもしれない。

目の前のペットボトルの水を飲み干す。
身体の中に水が溜まっていくようだ。
それとともに手が汗ばむ。
三寒四温、ゆっくりと春となる。
まるでこの身体はダムのようではないか。
用を足す。スイッチを押す。水に流す。
水の音が大きくなり、轟音に変化していく。

黒部ダムはおなじみだが、日本最大落差の滝も富山県にある、その滝は称名滝と呼ばれ、大瀑布の轟音を聞いた法然が「南無阿弥陀仏」と聞こえたことに由来すると伝えられている。

本展は、ユーカリオを流れ落ちる水、すなわち舞い散る水しぶきと轟音に包まれるような滝に見立てる。
鑑賞者自身も「WATER」となり循環、鑑賞する展覧会である。本展では「WATER」へと生まれ変わった黒坂祐、千葉大二郎、藤倉麻子、光岡幸一、渡辺志桜里に出会う。
ユーカリオという参道/産道を抜けた我々の先に続くのはコンクリートの道、そしてこの地下には水脈と下水が流れつづけている。

様々な国で、震災、人災、様々な問題が溢れ出しては、水に流され記憶が上書きされ続ける。

ボタンを押せば押すほど、詰まった便器から溢れ出る水を眺める。

滝となったユーカリオ、そして地下水脈と下水道の轟音から「水に流せば♪」と聞こえてくるようである。
吉田山

休廊日

月曜日

キュレーション

吉田山 yoshidayamar
散歩詩人
富山県うまれ、アルプス育ち。

2018年に「同路上性」をテーマに掲げるギャラリー&ショップFL田SHを渋谷区外苑前に立ち上げ、展示の企画と運営、コンセプト管理をおこなう。また、パフォーマンスコレクティブのKCN (kitchen) のメンバーとしても活動している。

近年の主な活動に、
展覧会企画 山内祥太「第二のテクスチュア(感触)」 (2021,東京)
オンライン展覧会企画 「鱗が目」(2020,東京)
展覧会企画 楕円のつくり方「ANB Tokyo オープニング展「ENCOUNTERS」4階」(2020, 東京)
アートフェア出展「DELTA Executive Committee」 (FL田SHとして出展 , 2020,大阪)
展覧会企画「芸術競技」+「オープニングセレモニー」(FL田SH, 2020,東京)
アートプロジェクト企画「インストールメンツ」企画 (投函形式の展示, 2020,住所不定 )
アートフェア出展「EASTEAST_Tokyo」 (FL田SHとして出展 , 2020 , 東京)
展覧会企画「RISO IS IT」 (渋谷PARCO OIL by 美術手帖, 2020,東京)
ライブパフォーマンス企画「台所革命 January revolution」(渋谷PARCO Gallery X, 2020,東京)
「大地の芸術祭2018」(パインツリークラブの一員として作品出品 ,2018, 新潟)

デザイン

HOO VOE

作品説明

こちらからご覧ください

関連企画

光岡幸一個展「もしもといつも」
2021年02月04日 – 2021年02月28日
BLOCK HOUSE B1F
東京都渋谷区神宮前6丁目12−9
http://www.blockhouse.jp/index.php?itemid=263


黒坂祐 ※作家都合により出品しない流れとなりました

1991 千葉県生まれ
2017 東京藝術大学絵画科油画専攻 卒業
2019 東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画 修了

近年の主な個展
2020「いくつかのリズム、不活性な場所」四谷未確認スタジオ /東京
2018「荒れた庭、空っぽの部屋からの要請」四谷未確認スタジオ /東京

近年の主なグループ展
2020「空っぽでいられる間」高円寺の空き店舗 /東京
2019「荒れ地のアレロパシー」三越コンテンポラリー /東京
「After Opening」四谷未確認スタジオ /東京

千葉大二郎

1992 鹿児島県生まれ
2014 プロジェクト『硬軟』始動・主宰
2014 多摩美術大学日本画専攻卒業
2016 東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画 修了

近年の主な個展
2020「Hassuism」eitoeiko /東京
2019「期待される人間像」eitoeiko /東京

近年の主なグループ展
2020「絵画検討会:想像上の生き物」コ本や /東京
2019「絵画たらしめる」akibatamabi21 /東京
「META」神奈川県民ホールギャラリー /神奈川

藤倉麻子

1992 埼玉県生まれ
2016 東京外国語大学外国語学部南・西アジア課程ペルシア語専攻卒業
2018 東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻 修了

個展
2018「エマージェンシーズ!035≪群生地放送≫」NTTコミュニケーションセンター[ICC] /東京
「はげ山の原始」Ask?P /東京

近年の主なグループ展
2021「多層世界の中のもうひとつのミュージアム—―ハイパーICCへようこそ」 NTTコミュニケーションセンター[ICC] /東京
2020「土字旁‧人字邊 Close to Nature, Next to Humanity」台東美術館 /台湾
「LUMINE meets ART AWARD 2019-2020 The Award Winner’s Exhibition」ルミネ新宿 /東京
2019「来るべき世界:科学技術、AIと人間性」青山学院大学 /東京
「PHENOMENON:RGB」ラフォーレミュージアム原宿 /東京

光岡幸一

1990 愛知県生まれ
2016 東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画 修了

近年の主な個展
2021「もしもといつも」BLOCK HOUSE /東京
2019「あっちとこっち」FL田SH /東京

近年の主なグループ展
2021「ゲンビどこでも企画公募 どこ×デザ」旧日本銀行広島支店 /広島
2020「DELTA Experiment」TEZUKAYAMA GALLERY /大阪
2019「アートデイズとよた」とよたスカイホール /愛知
「アイム・グラッド・ユーアー・ゼアー」東京芸術劇場/東京

渡辺志桜里

1984 東京都生まれ
2008 中央大学文学部仏文学専攻卒業
2015 東京藝術大学美術学部彫刻科卒業
2017 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻 修了

近年の主な展示
2020「A waiting room」ゲーテインスティチュート /東京
「ノンヒューマンコントロール」TAV gallery /東京
「The dialogue of opposites」ART TRACE GALLERY /東京
「Dyadic Stem」The 5th Floor /東京
「遊園地都市の進化──スクワット作戦会議i n 渋谷」RELABEL神泉 /東京
「#4cases/#HumanTajectory/#Anthropocene」RELABEL神泉


MORE EXHIBITION


“EUKARYOTE”は、2018年に東京の神宮前に設立したアートスペースです。美術の発生より紡ぎ続けてきた現代の有形無形、その本質であり、普遍的な価値を持つ作品や作家を積極的に取り上げ、残していきます。


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